栃木しゃも

栃木しゃもは、フランス料理で高級食材として使われる「プレノアール」と、卵をたくさん産む「ロードアイランドレッド」を交配した栃木県唯一の地鶏です。

鶏6羽からスタートした栃木しゃもの飼育

栃木しゃもは、昭和61年から栃木県畜産試験場で開発され、平成7年に誕生した栃木県唯一の地鶏です。

矢板市で会社を経営する矢古宇 美光さんは、十数年前に6羽の鶏を飼い始めたのをきっかけに、栃木しゃもの飼育を始めました。精肉専門店の友人から「うちに栃木しゃもを卸してほしい」という依頼を受け、本格的に飼育することを決意し「エンジェルファーム」を設立。毎朝5時から鶏の世話や昼休みにしゃもの加工作業を行うなど、会社経営と並行して飼育を続け、現在では月間100~200羽を出荷するまでになりました。

肉がやわらかく、風味・コクに優れた栃木しゃも

「栃木しゃも」はヒヨコから成長して出荷できるまでにオスで4カ月、メスで6カ月を要します。一般のブロイラーに比べ、飼育に倍の時間がかかりますが、肉は柔らかくて脂肪が少なく、風味、コクに優れているのが特徴です。一番のこだわりは飼料です。「自家栽培の無農薬野菜や地元産のリンゴ、おからを配合した自家製ブレンドの特製飼料を与え、ストレスフリーな大自然のなかで放し飼いにしてのびのび育てることで、おいしい栃木しゃもになります」と矢古宇さん。「エンジェルファーム」の栃木しゃもは、「美しゃも」のブランド名で出荷されています。

栃木県唯一の地鶏を絶やさないことが目標

 「安全で健康な栃木しゃもになるように自分の子どものように愛情を込めて飼育しています。コロナの影響もあり、経営はなかなか大変ですが、故郷唯一の地鶏を絶やすことなく、皆さんにおいしい栃木しゃもを食べてほしいですね」。栃木しゃものおいしさには、矢古宇さんの熱い思いが込められています