家庭の食卓になかなか上がることのない鯉は、昔から郷土料理として親しまれてきました。日本の川や池、沼などに多く生息していて釣るのは難しくありません。ただし河川にいる鯉は泥が多くて臭みもあるため、鯉を扱う専門店で食べるのが一般的です。「コイ」の語源は「味が肥えている」ことに由来するとも言われています。
脂が少ないほうが包丁も入りやすく調理もラクですが、鯉は脂があったほうが甘みもあって断然おいしい。おいしい鯉を育てるには水が重要です。きれいな水で育った鯉ほど、臭みがありません。「水は清流を引きこんだ天然水。きれいなだけでなく、夏でも水温はさほど変わらないのです」と語る遠藤鯉店の遠藤さん。水は自然の恵みだけに、台風などの自然災害で泥水が入ったり、水路が詰まるなど影響を受けることもあります。